モチーフは「楽園追放」。相変わらずこの人の映画にはキリスト教（的禁忌）が強烈なエフェクトを与えている。そしてこの人の映画には相変わらずセックスが徹底して描かれない。

相変わらずふざけた作品撮る監督だな。これ、褒め言葉だけど。 『CURE』『カリスマ』『回路』『降霊』……などなど、これまでの黒沢映画に登場したさまざまなイコンや象徴を飲み込みながらホラーでもミステリーでもない汎ジャンル映画として複雑怪奇に膨張し凝…

私にとって矢崎仁司の『三月のライオン』は園子温の『桂子ですけど』と並んで90年代の日本映画が描きうる「少女論」の極点だった。そして少女＝処女が体験した「"嵐の季節"＝三月」を描いた矢崎仁司が"花の季節"＝『花を摘む少女と虫を殺す少女』をへてたど…

ソフィア・コッポラの『ヴァージン・スーサイズ』とかガス・ヴァ・サントの三部作（『GERRY ジェリー』『エレファント』『ラストデイズ』）なんかに連なる「90年代の風景論」として『Thumbsucker／サムサッカー』は感動的なまでにリアルにあの時代の郊外化（…

落涙。ダニエルにとってはすべてがゴスペルでありラヴソングだったんだね。 でもダニエルのそれは救われない魂を歌うゴスペルであり報われない愛を歌うラヴソングだったんだ。感涙。 それにしても若いころのジャド・フェアって古川日出男に似てんな。

原作のマンガを読んでない自分には「ふーん」としか取り立てて言いようのないような淡白なドラマ。しかしこの手の甘酸っぱいラブストーリーが通用するのはせいぜい主人公の設定が高校生か中学生までで限界だと思うんだけどな。大学生にもなって酒も飲めるよ…

さすがは元桜っ子クラブさくら組（元KEY WEST CLUB？）。歌って踊るは（じつは）お手のものな中谷美紀。コメディエンヌとして開眼間近です。でも最後の松子の「殺され方」はなんか後味悪かったな。こういう（ブラック・）コメディ映画でああいう「殺され方」…

正直ニューヨーク・ドールズに特別な思い入れはないがアーサー" キラー"ケインのあたたかな人柄に触れて落涙。ちょっと、言葉にならないです。

しばらく観ないうちに随分枯れた映画撮るようになったなあ（『コーヒー＆シガレッツ』は観たけど）。今でもあれを「スタイリッシュ」とか「クール」とか言うのかしら。チョイ役でA.R.E. Weaponsのブライアンとマットが出てました。クロエ・セヴィニー繋がり…

『シティ・オブ・ゴッド』のイメージで期待して観ると肩透かし食らうけど硬派でまっとうな映画なのでは。ストーリーに取り立てて目新しさはないけど随所にメイレレス節のようなものが感じられて退屈しなかった。生々しさやスピード感もあって。逆にこういう…

これまでの検証もの、ドキュメンタリー、伝記やカート・コバーン自身の日記（これを出版物にして販売してしまうデリカシーの欠如には理解しがたいものがあるんだけど）といった類が「カート・コバーンの見た風景」に迫ったものだとするなら、これはいわば「…

最近漫画が原作の映画は評判いいし何より前に『下妻物語』の試写を侮ってスルーして後悔した経験もあったためひそかな期待を持って観たのだが……始まって3分もしないうちから退屈で退屈で仕方なかった。苦痛に近かったかも。守護天使の深キョンが悩める民に幸…

ガス・ヴァン・サント『GERRY ジェリー』＋ピンク・フロイド『モア』＋足立正生『連続射殺魔 永山則夫』なアニミスティックな爆音ノイズ映像詩。もうとにかくめちゃくちゃ気持ちいい。北海道の「日本の秋」を舞台にアンプ積み上げてEARTHかSUNN 0)))かBorbet…

イ・ヨンエとてもよかったですね。物語は結構ありふれた感じで「復讐」シリーズの三部作とはいえさすがにマンネリ感もないわけでもない。でも「復讐」の位相が作品ごとに微妙にズラされていってるのがミソで「やられたらやりかえす」のが復讐なわけだけど『…

なんかいろいろ深読みしてしまいたくなる映画だな。随所に炸裂するドラッギーでアシッドな演出とか。そもそも空中庭園で理想の家族を「やり直し、繰り返し」たいのって小泉今日子本人じゃないの？とか。これってつまり山田太一とか金妻世代のための80年代ホ…

どうリアクションしていいのかわからない映画だな。観ながらこれは笑っていいのかどうしたらいいものか頭の中が？？？？？？マークだらけになっちゃいました。特攻野郎Aチームmeets『パリ、テキサス？『地獄の黙示録』も入ってたり？ビル・マーレー似の伯父…

マンソンのすっぴんとソーシャル・ワーカー役のリディア・ランチとソニック・ユースが楽曲提供していること以外、特筆すべきことなし。 『ライフ・アクアティック』の試写に行けばよかったと後悔。 ちなみにアーシアは、ソフィア・コッポラの次回作『Marie A…