黒沢清新作『LOFT』を観たよ。


相変わらずふざけた作品撮る監督だな。これ、褒め言葉だけど。
『CURE』『カリスマ』『回路』『降霊』……などなど、これまでの黒沢映画に登場したさまざまなイコンや象徴を飲み込みながらホラーでもミステリーでもない汎ジャンル映画として複雑怪奇に膨張し凝縮を見せる黒沢フィルムの到達点、というより恐ろしく異形の物語。最高に笑える。
「動けるんだったら最初から動けよ!」ってか。
トヨエツと中谷美紀の新劇チックな書割的演技。リアリティよりも驚天動地にフィクショナルな神話的絶景。
青山真治の『レイクサイド マーダーケース』と不気味に響きあうかと思えばなぜか『風と共に去りぬ』が想起されたり。