矢崎仁司監督『ストロベリーショートケイクス』を観たよ。


私にとって矢崎仁司の『三月のライオン』は園子温の『桂子ですけど』と並んで90年代の日本映画が描きうる「少女論」の極点だった。そして少女=処女が体験した「"嵐の季節"=三月」を描いた矢崎仁司が"花の季節"=『花を摘む少女と虫を殺す少女』をへてたどり着いた『ストロベリーショートケイクス』は、まさに少女が女性へと成長するように……いや、まったくもってあの"矢崎仁司な"ままのみずみずしくも静謐な物語がここには息づいていて感動。池脇千鶴の全身映画女優なたたずまいにあらためて感じ入る。中村優子の存在感も圧倒的だった。この映画で彼女を発見した方は彼女がつい最近結婚してしまったという事実にきっと打ちのめされてしまうんじゃないかな。