『ラストデイズ』を観たよ。


これまでの検証もの、ドキュメンタリー、伝記やカート・コバーン自身の日記(これを出版物にして販売してしまうデリカシーの欠如には理解しがたいものがあるんだけど)といった類が「カート・コバーンの見た風景」に迫ったものだとするなら、これはいわば「カート・コバーンが"いた"風景」を俯瞰で捉えた作品、なのかも。それでいて個の真実に迫りながらも「アメリカの物語(風景)」として描き出してみせている。死者を弔う気持ちに偽りはないし極めて厳かにしてリアルな映像詩。『エレファント』『ジェリー』とも通底する監督の視線に感嘆。「ドキュメンタリー映画を撮る」のではなく「映画をドキュメンタリーとして撮る」というか。ガス・ヴァン・サント、ますます若返ってる。マイケル・ピットが劇中で歌う曲もかっこよかった。