逃げたくない!亀田興毅Vsランダエタの再戦決定!

2カ月後に完全決着や。再戦を選んだ亀田は、前戦で苦戦し煮え湯を飲まされたランダエタを、どつき倒したる
今度こそ倒したる!! 不可解な判定でプロボクシングWBA世界Lフライ級王者になった亀田興毅(19)=協栄=が、王座決定戦の相手だったフアン・ランダエタ(27)=ベネズエラ=と10月の初防衛戦で再戦することが22日、決まった。減量苦を理由に王座を返上する可能性もあったが、亀田が決着戦を希望。判定をめぐりバッシングにさらされた「浪速の闘拳」は、因縁の相手を自らの拳で倒し、相手も周囲も黙らせる。
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逃げない。避けない。ぶっ倒す。批判にさらされる亀田が完全決着の道を選んだ。「逃げたと思われたくないんや!!」。この一念で、ランダエタとの10月後半の再戦(場所未定)が決まった。
王座返上か、再戦か−。二者択一で周囲は揺れ動いた。2日の王座決定戦では、本来のフライ級より1.9キロ軽い48.9キロのリミットで初の実戦をこなしたが、パワーダウンなど肉体面への影響が予想以上に大きかった。「3階級制覇」を公言する亀田は「(20歳になり体が大きくなる)来年にこの階級でやるのはもう無理や」と話し、協栄ジム金平桂一郎会長(40)も「健康面を考えれば、階級を上げた方がいいかも」とフライ級への転級を示唆していた。
だが、本人の闘魂が決定打となった。この日再戦を発表した金平会長は「フライ級に上げれば、形として逃げたと言われてしまう。逃げた、避けたというそしりを受けながら、この後の現役生活を続けていくのは不本意という、亀田選手からの強い要望もあり、早期に決着をつけた方がいいのではという結論になりました」と説明した。
再戦を発表する金平会長。本人の闘魂を尊重した
汚名をそそぐ。周囲を黙らせる。前戦は、生涯初のダウンを喫した上の2−1の際どい判定勝ち。試合を中継したTBSには5万件を超える抗議が届き、協栄ジムのサーバーは抗議メールでパンクした。逆風に加え、「亀田とKOはセット」の“公約”を果たせなかったことが悔しかった。親しい関係者には試合の翌日に再戦の希望をもらしていたといい、10日前後に方針が固まった。
王座決定戦で戴冠した新王者は、原則的に初防衛戦は指名試合。次期ランキングの1位選手と原則90日以内に防衛戦を行うことが義務づけられる。ランダエタWBAの最新ランキングで1位にとどまったことで、再戦はこれらの条件を満たすことにもなる。すでにWBAも再戦を承認。TBSが大みそか恒例の「日本レコード大賞」を12月30日にずらしたことで、亀田戦の大みそか開催も浮上しているが、この再戦に勝てば年の瀬のビッグマッチの可能性も残る。
この日は亀田本人も父の史郎トレーナー(41)も姿を見せなかった。日時や会場などが決まった段階で正式会見を開き、父子そろって決意を述べる。21日には会長と亀田一家そろって、先代会長の故金平正紀氏の墓参をし、王座奪取を報告した。9月初めからパートナーを呼んで、スパーリングも開始する。
「『あのときの亀田は亀田じゃなかった。100%負けることはない。今度は必ずKOで勝つ』と、本人は言っていました」と金平会長。テレビを観て「負けていた」「おかしい」と批判した人々と、試合後に「亀田は弱いボクサー」と言い放ったランダエタを黙らせるために、自らの拳ですっきり決着をつける。それが亀田の心意気だ。